Saturday, April 27, 2013

日本人の宗教観は異常?

先日、チュートリアル用に、宗教についての論文を書きました。
Is folk religion the world over always about the same things? (民間信仰の本質は、世界中どこでも常に同じか?どんな答え方もできるので厄介)という質問だったんですが、いろいろ文献を読んでいてひとつ思ったことがあります。

たまに「日本人の宗教観は異常だ」みたいな意見を聞きます。
例えば、

日本人はクリスマスを祝って1週間もしないうちに、除夜の鐘という仏教の行事を行い、その直後には神道の信仰施設にお参りしにいく。異質の宗教がいくつも入り交じった、異常な国だ。日本は変だ!

というような事をいう人がいます。

でも、これは人類学的にはNGです。チュートリアルでこんなこと言ったら、教授のものすごい質問攻めが待ってると思います笑
「異なるいくつもの宗教が共存することはありえない」という排他的な考え方は、キリスト教やイスラム教のような一神教を前提とした物の見方です。
もちろん一神教自体を否定している訳ではありません。
しかし、ひとつの価値観を絶対的なフレームワークとして捉え、ほかの人の宗教観を評価することは危険です。差別や偏見に繋がる可能性があるからです。評価することと分析することは違います。
更にいえば、「異常」や「変」というレッテルを貼った時点で、思考プロセスが停滞する傾向にあると思います。
自分たちとは違うけど、じゃあ何で違うのだろう?という考え方のほうが建設的です。
人類学(だけじゃないとは思いますが)の根底を成す方法論だと思います。


---------------------

全く関係ないですが、LOW HIGH WHO?という音楽レーベルの新人発掘企画「GOLDEN DEMO 3」に自分の楽曲が収録されました!
無料でダウンロードできるアルバムなので、よければ是非チェックお願いします  m(_ _)m
留学生の視点からラップしてみました!
リンク