Thursday, October 11, 2012

カレッジ制度について

早速ちょっと長めの投稿です。

オックスフォード大学はカレッジ制度という、イギリス国内でも特殊な形態をとっています。
簡単に説明すると、カレッジと呼ばれている独立機関の集合体がオックスフォード大学です。すべてのカレッジと学科の総称がUniversity of Oxfordな訳です。
つまり、オックスフォードの生徒はUniversityに属していると同時に、40前後あるカレッジのどれかにも属しています。
イメージとしては、各カレッジは小さな私立大学みたいな感じで、それぞれ寮、食堂、図書室、運動施設などをもっています。施設管理や資産運用もUniversity側に頼らず独立して行われています。

かなり変わったシステムなので、こんな説明ではあまりピンと来ないと思います。
自分も実際にここに来るまでよくわかってませんでした。
入学願書のなかに希望するカレッジを書く項目もあったんですけど、よくわからなかったので「どこでもいい」にしました。
今ではすこしだけ後悔しています(理由は下の写真をみてください!)

個人的にこのカレッジ制度は結構気に入っています。

まず、カレッジひとつひとつに個性があって面白い!
それぞれ歴史も色々あるし、もちろん建物の外観も違います。クライストチャーチはまさにハリーポッターの世界だし、全カレッジの中で一番お金があるセントジョンズはデザイナーズマンションみたいな感じです。
町の中で会う人とは大体オックスフォードの生徒同士であることを前提で話すので、まずどこのカレッジに属しているかを聞くところから会話が始まります。
少し社会人類学者ぽいことを言うと、どのカレッジに属しているかが学生一人一人のアイデンティティの形成に関わっている気がします!笑
3年間も在学する学部生とかは、とくに自分のカレッジに誇りを持っているんだと思います。

あと、このシステムのおかげで、ほかの総合大学とは少し違った教育をオックスフォードは可能にしていると思います。
カレッジは主に社交の場なので、食堂などでカレッジメイトと会う機会がたくさんあります。各カレッジには得意分野がありますが、基本的には色々な分野を専攻している学生が集まっているので、会話の内容も多種多様です。
今まで自分が会ったカレッジメイトも本当に色々な人がいます。公共政策を勉強しているインド人、免疫学専攻のアメリカ人、世界銀行から派遣されてきた国際外交専攻のポルトガル人などなど。ちなみに数日前オックスフォード出身のガードン教授が山名教授とともにノーベル賞を受賞しましたが、この免疫学を勉強しているアメリカ人は、iPS細胞研究についてわかりやすく説明してくれました。ランチしながら笑
これはある人が言ってたことなんですが、自分の専門フィールドと全く関係ないと思っていた人と話すと、意外な発見があるそうです。このようなinterdisciplinaryな環境を生み出すカレッジ制度こそが、オックスフォードの教育機関としての成功の秘訣だ、みたいな事を言っていました。
ここらへんは少しアメリカのリベラルアーツ教育と共通する部分があると思います。
まああと、いろんな人と話せるのは単純に面白いですよね!

最後になりましたが、自分のカレッジはケロッグといいます。
900年の歴史があるオックスフォードの中でもかなり新しいカレッジで、 今年で創立8周年とかです。
やはり歴史の差があるので、施設とかはあんまりな感じです。まあ新しい分きれいなので文句は言えないけど。

上がケロッグの食堂で、下が皇太子殿下が留学されていた事で有名なマートンカレッジの食堂です(先輩にブランチに招待していただいた際に撮影)。。。


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